浪漫-ROMAN- 

とんねるずの「生ダラ」から生まれたいわゆる企画モノの一曲です。木梨憲武扮する「憲三郎(北島三郎のマネ)」とジョージ山本(山本譲司)によるデュエットで、演歌はもちろん他ジャンルの楽曲でも珍しい男性二人組による歌唱というスタイルを取っています。

どこかトボけた扮装はあるものの、歌唱の方は完全に真剣そのもの。大志を抱いて故郷を後にし幾星霜、未だに昔のことを思い出し友に向かって語りかけるという武骨感溢れる歌詞、年齢や収入などに関係なく大人なら多くの人が共感できるであろう世界観は胸に染みるものがあり大ヒット、紅白出場も果たすなど、タイアップ楽曲としては特筆すべきほどの成果を生み出しました。

ヒットの背景にはもちろんとんねるずや「生ダラ」の知名度などの要因も大きかったでしょうが、個人的にはやはり作品自体の潜在能力故だったと思っています。「恋」をあえてテーマから外したことでウェットにはならず、男二人のデュエットであることから、男性に限らず同性同士、友人と一緒に盛り上がる際には最適な一曲ともなりました。共感性のある歌詞と言うとどうしても、「家族」や「恋人」、「別れ」といった個人的なテーマになりがちな現在にあって、あえて「望郷」という古いテーマを前面に据えたことも素晴らしかったですね。世界が近くなったとは言え、やはりどうしても故郷から離れたり、思い出に浸ったりということは皆に共通する経験としてあり、そこを拾い上げてくれる「浪漫」が大ヒットしたのもむしろ必然的だと言えます。

筆者について

trecomuni

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