「不失者/来たる時」

不失者は、灰野敬二がリーダーを務める、日本のアンダーグラウンド・ロックのバンドです。
灰野敬二は70年代から活躍しているロック・ギタリスト/ヴォーカリストで、メジャーなレコード会社からのアルバムのリリースはほとんどしていなかったので、このアルバムが徳間ジャパンからリリースされた時には、驚きました。
不失者は、その後にメンバーチェンジを何度か行っていると思うのですが、このアルバムが出された1997年頃のメンバーが作っていた音楽が、いちばんすごいと思いました。
このアルバムをきいて、圧倒されました。きいたこともないような音楽でした。
すごくロックで、ノイズで、アヴァンギャルドでした。アヴァンギャルドといっても色々あるとは思うのですが、こまかいことはさておいて力で押し切る、といった感じでした。
そして、自分がそれまでに聞いてきたロックというのは、すごく形が決まっているというか、同じようなものばかり聴いてきたのだなあと思いました。
こんなに創造力のたかいロックがあるなんて、知りませんでした。
日本のロックの黎明期から活動している人なのに、なぜメジャーなレコード会社からアルバムがリリースされてこなかったのかが、分かった気がしました。決して否定する気はないのですが、「産業ロック」という言葉があるように、メジャーはけっきょくたくさん売れそうな、誰が聴いても安全なものしかリリースできないのだろうな、と思いました。音だけでなく、もっと音楽に向かっていく姿勢という部分で、本当のロックだと思いました。

筆者について

trecomuni

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